STORY
第五話(2/11 O.A)
今回は2つの結末!?名門女学館で怪事件
篠川栞子(剛力彩芽さん)は、書籍を寄贈するため聖桜女学館を訪ね、栞子を迎えた図書委員の田辺美鈴(生田絵梨花さん)が搬入を手伝った。書籍は教員の杉浦(阿南敦子さん)により選別されたが、数冊が「中学生には不適切」という理由で返却されてしまう。栞子は、それらが文学的評価が高いため、性描写や暴力描写があるだけで除外するのはもったいない、と言うが、杉浦は最近もアントニイ・バージェスの『時計じかけのオレンジ』を読んで学校の体制を批判する感想文を提出した生徒がいたから、と返却の理由を説明する。
同じ頃、「ビブリア古書堂」に小菅奈緒(水野絵梨奈)がやってくる。奈緒は、志田肇(高橋克実さん)に借りた本を返しに来たのだが、表情がどこか暗くて志田は心配する。奈緒は、中学生の妹の結衣(森迫永依さん)がCDを万引きしたことが発覚、停学になっていると明かした。結衣は聖桜女学館に通う優秀な生徒だが、先日書いた読書感想文が学校で問題視され母親が呼び出されることもあったという。
その後、奈緒は栞子、五浦大輔(AKIRA)、志田に新聞に載った結衣の感想文を読ませた。それは『時計じかけのオレンジ』を読んで書かれたもので、善悪の常識について疑問を投げかけていた。それを聞いた藤波明生(鈴木浩介さん)は、万引きも本の影響だろう、と意地悪く言う。栞子は奈緒に、結衣はどこで『時計じかけのオレンジ』を購入したのかと聞き、奈緒はインターネットの通販で、自分が買ってやったものだと答えた。
志田が調べた結果、結衣は盗んだCDを売ったというショップに売っていないことが判明。なぜそんな嘘を付いたのか、と嘆く奈緒は、話の流れから結衣が潔癖症だと明かした。それを聞いた栞子は、結衣は万引きをしていないかもしれない、と言う。
放課後、奈緒に連れられて結衣が「ビブリア古書堂」にやってくる。結衣と対面した栞子は、結衣が感想文を自宅で書いたこと、潔癖症で普段から図書館を利用したり友達と本の貸し借りをしたりしないことを確認。そして、結衣の作文の冒頭を暗唱すると、『時計じかけのオレンジ』を最後まで読んでいないだろう、と言った。
反論する結衣の前に、栞子は装丁の違う2冊の『時計じかけのオレンジ』を差し出した。それらは旧版と新版だが、旧版は出版社の意向で原稿にあった最終章を削除して出版、その後40年近く経って、最終章を加えた完全版の文庫が刊行され、代わりに旧版は絶版になった、と栞子は説明した。つまり、結衣が最終章のように作文に書いた部分は、旧版では最終章だが、新版では最終章ではないのだ。奈緒が取り寄せたのは新版のうえ、潔癖症の結衣が図書館や古書店にある旧版を読むことはできないはず、と栞子は推測。読んでいないのになぜ感想文が書けたのか、と尋ねる大輔に栞子は、他人の作文を書き写したからだ、と答える。
栞子は、結衣が書き写したのは自宅にあった文集に掲載されていた感想文だろうと言った。同じ文集を偶然目にして盗作に気づいた美鈴は、結衣に取引を持ちかけたのだ。CDを万引きしたのは美鈴だが、犯行が露見しそうになっている自分の罪を被れば、盗作のことは黙っている、と。
なぜ盗作をしたのか、と尋ねた奈緒に結衣は、小学生が書いたその作文が上手くて驚き、自分も『時計じかけのオレンジ』を読んでみたが難解で挫折してしまった。しかし、最近、本に詳しくなっている奈緒も挫折していたため、奈緒より難しい本が読めると見栄を張りたい一心で感想文を写してしまったのだ、と認めた。
そんな日の夜、栞子は大輔に一冊の文集を差し出した。そこには、「『時計じかけのオレンジ』を読んで 四年二組篠川栞子」とあった。
翌日、栞子は顧客の自宅に本を届けるため、雨のなかを出かけていく。その途中、石段を上っているとき、前方に立つ男の足が目に入り、栞子は傘を上げ相手を見ようした。その瞬間、男の足が栞子の肩を蹴った。階段を転げ落ちた栞子は、道路に横たわったまま動かない。冷たい雨は降り注ぎ…。